2018年11月現在、所有しているカワハギ和竿 [カワハギ釣り]
2018年11月29日木曜日
今日は久しぶりに所有しているカワハギ和竿について熱く語ろうと思う。
現在所有しているのは以下の8本。
サクラ江戸川工房 江戸藤作(金剛激を作っているサクラが出している)
〇イワシクジラ穂 布袋竹 11節 6尺(ホワイトクリスタルガイド)オークションで入手
因みにこれが私のカワハギ和竿最初の1本で和竿で初めて竿頭になった思い出深い竿。
〇特別誂 クジラ穂 布袋竹 11節 6尺(ホワイトクリスタルガイド)オークションで入手
長尾作
〇クジラ穂 布袋竹 15節 7尺(SICガイド)下向き仕様 オークションで入手。
この竿が宙の釣りから底の釣りまで使えるオールラウンダーでかなり使い込んで汐よしさんに調子の参考にと持って行ったお気に入りの竿
正雲竹作
〇クジラ穂 布袋竹 12節 7尺 オークションで入手
〇クジラ穂 布袋竹 13節 7尺 オークションで入手
竿利作
〇セミクジラ穂 布袋竹 16節 7尺(ブルークリスタルガイド)オークションで入手
汐よし作(唯一自分で誂え注文した竿)
〇セミクジラ穂 布袋竹 14節 7尺(SICガイド&バイキング仕様)
素材は汐よしさんで購入し指導を受けながら初めて自作した印籠継ぎ竿。
〇イワシクジラ穂 丸節竹 7尺(SICガイド&バイキング仕様)
これを見てわかるように8本持っているすべてのカワハギ和竿はクジラ穂である。なぜならクジラ穂だけは和竿でしかできないし私自身がクジラ穂の魅力に取りつかれているからである。
ちなみにどの作品も竹の素材塗りを含め魚を釣る道具としても素晴らしいものばかりです。
私がオークションで手に入れた(最初は竿作りの変わり塗りの見本として集めた)竿の調子もカワハギ竿として基本的な調子から外れたものはないのが特徴。
つまり昔からカワハギ釣りの達人(良く釣る人)と呼ばれる人はいたわけでその人が細かく指定した調子を具現化していたのが和竿の匠達だったのだろう。私が思うにカワハギ和竿に対しては宙の誘い釣りベースで考えたなら基本設計が古いという事は無いと考えている。恐らく20年ぐらい前にはほぼ調子が完成されていたのではと私は思っている。カワハギ和竿で設計が古いという事は今の最新タックルの穂先より硬めの穂先が付けられている事が多い。私はバス釣りの頃から硬調の穂先が好きなので和竿の伝統の調子が結構好きなのだ。
実際に設計が古いだろうと思われる和竿でも私のように宙の誘い釣りをメインに出来る腕さえあれば乗合船で平均以下になることはほとんどないのである。
ただアナゴの誘導仕掛けのようにPEラインと軟らかな穂先でないと成立しない釣り方もあることは否定しない。別の記事でも書いているが私の考えでは逆にここに頼ってしまうと腕の上達と違う方向へ行ってしまうし難しいからこそという点で面白みが半減するだろう。
つまり私は錘を底に着けたまま聞くことが出来て違和感なく食い込ませるようなアナゴの誘導仕掛けやカワハギだと向こう合わせ的な釣り方や空合わせ的な釣り方は腕の上達には繋がらないのでこの釣り方をすること自体が時間の無駄遣いでしかないと考えている。(せっかく同じ時間を釣りに費やすなら腕を少しでも上達させたいのだ。)
この考え方は私がこのブログを始める以前、まる八という船宿で行われた年に1度の手ばね大会(釣り座以外は竿や仕掛けすべて船宿支給の同条件で行ったリールを使わない手ばね竿での船下のみ本当の腕だけの勝負)で出会った根岸名人の釣りを隣りで見てから釣りは道具や仕掛けではなく大事なのは腕なんだとそう思うようになり、いつか根岸名人のようになりたいと釣りの技術として大切な聞く動作をより重視するようなシンプルな仕掛けを好んで使うようになったのだ。
昔から伝わるアナゴの釣鐘錘のような伝統的な仕掛けは錘を海底から持ち上げて聞く感覚を鍛える効果のある仕掛けが多いのだ。つまり釣鐘錘の仕掛けで釣っているうちに錘を底から上げた状態であたりを聞く竿さばきによる仕掛けの繊細なコントロールが左右両方の腕で身に着くのである。
アナゴ手ばね大会で出会った数年後、根岸名人が入舟に来てカワハギ釣りを隣り同士で一緒にやった時の記事は以下のリンク参照。
この時も釣れない時間を作らない素晴らしい腕前で、もし根岸名人が私と同じ極鋭を使っていたら恐らく最初から負けていたか、私が同じくらい釣って健闘したとしても私の魔の1時間の間に逆転され釣り負けていただろう。
その時のブログ記事はこちら
カワハギ竿の調子に関しては人によってはナイロン手ばね竿と釣鐘錘でカワハギを釣っていた時代もありその頃からしたら調子も変わる(進化している)のではと考える人もいると思う。でも実際は達人が好む合わせが利く調子という点は変わらないのである。
それはどういうことかと言うと、いくらナイロンの道糸が伸びるとは言っても錘を底から浮かして穂先に負荷をかけてしまえばナイロンとはいえある程度伸びきってしまうのだ。すると道糸の伸びによる操作性にさほど差がなくなるからである。この操作性が良く合わせも利きやすい調子(穂先のカーブと穂持ちの硬さ)というのは変わりがなく違うと感じるのはナイロンとPEラインの違いによるアタリの鮮明さ(手感度ともいう)だけなのだ。ただ厳密にいえば同じ宙の誘い釣りが出来る達人が5人いれば細かい穂先の削りの好みの違いは出てくるだろう。ただ穂持ちの理想的なパワーバランスはほぼ同じはず。
何故私がそう言い切れるのかと言えば、自作のナイロン手ばね竿を入舟さんに持ち込んで夜アナゴ釣りで実際に使用しPEラインでの釣りと遜色ない釣果が出るまで使い込んだからに他ならない。
実際に和竿の匠が1本1本精魂込めて作った竿(作品)を使うと大量生産されるカーボンの竿にはない何か(上手く表現できないが)を感じる。そして使い込んでいくうちに愛着がどんどん増してきます。
これはきっと匠が魂を削る想いで竹に火を入れ(火入れとは一瞬の判断ミスが竹を焦がすので物凄い集中力がいる作業である)、込みや穂先を時間をかけて丁寧に削って調節し何度も漆を塗り重ね完成させる過程での気持ちというか何というか(大量生産される単なる工業製品には無い作品に込められた想いのようなもの)がそうさせるのかもしれない。
現在私自身なかなか時間が取れずに実戦投入できたのはこの中の3本のみ。あと5本も使って魚を掛けてやらねば。(笑い)
ただ残念なことはこれらのすばらしい日本の伝統工芸技術は、日本人が一番価値を知らないのではと私は危惧している。
私の知る限り日本の和包丁(海外では日本刀の技術が使われているとして人気)や日本酒(海外ではライスワインと呼ばれる)なども海外では素晴らしいと評価が高くとも肝心の日本人がその本当の使い勝手や美味しさ(本物の価値)を知らない人が多いのだ。
この匠が作ったカワハギ和竿もその典型で最新技術で作った竿と何ら遜色ない釣果を出せるし(正直釣果は腕次第だが・・実は最新の竿を使っても腕が悪ければ釣れないので和竿があまり知られていないのは宣伝と実物が手に取りにくいだけの問題だと私は思う)漆の装飾も芸術性も含め素晴らしいものだが肝心のカワハギ師が和竿の良さを知らない人が多いのでどんどん後継者もなくなり和竿師が廃業しいなくなっているのだ。(匠の作る素材を吟味した本当に良いものは値段が高いのだが実はほとんどの和竿は10から20年くらいは使えるし修理も匠がいる限りずっとやってくれるのである。)大手メーカーは新製品を売りたいのでパーツ供給を法律で決められた7年でしなくなるが竿の場合もっと短い事もある。
和竿の場合極端な話穂先を新しいものに交換してしまえば調子の変更ですら可能なのだ。
また20年以上前のクジラ穂を使ったカワハギ用和竿を複数入手して気が付いた事がある。
それは誘い釣りに向いた極先調子の似たような調子の竿が多いという事である。
これは何を意味しているのかというと、その当時のカワハギ釣りの達人たちは自分たちの求める調子を和竿師に依頼し竿師と釣り師がお互いに情報をフイードバックし最適な調子を追及していたと思われる。
そうした試行錯誤の末生まれたのが極先調子のクジラ穂の和竿だったのだろう。
そうして生まれた竿で達人たちは凄い釣果を出す。すると船で出会った隣の人は当然どこの竿師が作った竿なのか聞くわけで、聞いた釣り人は名人と同じような調子の竿が欲しいと竿師に注文したかもしれない。ただこれらの達人が好む竿は、使い手を選ぶ竿なので万人に使いやすい竿ではなかっただろう。
そうして注文されたり作られた竿が私の手元に中古品として6本くらいあるわけである。
それらの竿の調子が面白いことに古いものではダイワの初代早業硬調(誘い釣りの名手中馬氏が市販品で唯一穂先を詰めずに使用したという名竿)新しいものではガマカツの鬼攻めトーナメントグレードHやダイワ初代極鋭レンジマスターやサクラの金剛激など9:1の極先調子という点で共通している。
これらの事から30年以上昔から魚信に対し合わせの利く調子を達人たちは追及していたのだという事がわかるのである。
これらの事を踏まえて、もしこの記事を読んでクジラ穂和竿をオーダーしたくなった人にこれだけはやってはいけない注意を書いておく。
それは柔らか目の穂先の最新タックルを持ち込んでこんな竿を作ってほしいとオーダーする事である。なぜならクジラ穂を最大限に生かす釣り方は宙の誘い釣りだからである。宙の誘い釣りでも柔らか目の穂先で釣る事も可能だが、もしあなたが硬めの穂先を使いこなせないのならクジラ穂に満足できないだろう(クジラ穂を最大限に生かした竿を使いこなせないという意味)。
最新タックルの柔らか目の穂先が好きな人で和竿を使ってみたいならグラス穂先和竿をオーダーすることをお勧めする。グラス穂なら最新タックルの柔らかい穂先に近い感じで再現してくれると思う。
繰り返すがクジラ穂和竿をオーダーする場合は、釣り人の腕も高いレベルが要求される。ダイワの極鋭ならレンジマスターやがまかつのトーナメントグレードHやさくらの激などが使いこなせるレベルでなければ結局クジラ穂も使いこなせず宝の持ち腐れになってしまうだろう。
この本当はすばらしい和竿の文化も近い将来匠がいなくなり技術が途絶えてしまうのだろうか?
私の所有している和竿の5人の匠のうち少なくとも3人は後継者がなく廃業してしまったようである。
それでは
今日は久しぶりに所有しているカワハギ和竿について熱く語ろうと思う。
現在所有しているのは以下の8本。
サクラ江戸川工房 江戸藤作(金剛激を作っているサクラが出している)
〇イワシクジラ穂 布袋竹 11節 6尺(ホワイトクリスタルガイド)オークションで入手
因みにこれが私のカワハギ和竿最初の1本で和竿で初めて竿頭になった思い出深い竿。
〇特別誂 クジラ穂 布袋竹 11節 6尺(ホワイトクリスタルガイド)オークションで入手
長尾作
〇クジラ穂 布袋竹 15節 7尺(SICガイド)下向き仕様 オークションで入手。
この竿が宙の釣りから底の釣りまで使えるオールラウンダーでかなり使い込んで汐よしさんに調子の参考にと持って行ったお気に入りの竿
正雲竹作
〇クジラ穂 布袋竹 12節 7尺 オークションで入手
〇クジラ穂 布袋竹 13節 7尺 オークションで入手
竿利作
〇セミクジラ穂 布袋竹 16節 7尺(ブルークリスタルガイド)オークションで入手
汐よし作(唯一自分で誂え注文した竿)
〇セミクジラ穂 布袋竹 14節 7尺(SICガイド&バイキング仕様)
素材は汐よしさんで購入し指導を受けながら初めて自作した印籠継ぎ竿。
〇イワシクジラ穂 丸節竹 7尺(SICガイド&バイキング仕様)
これを見てわかるように8本持っているすべてのカワハギ和竿はクジラ穂である。なぜならクジラ穂だけは和竿でしかできないし私自身がクジラ穂の魅力に取りつかれているからである。
ちなみにどの作品も竹の素材塗りを含め魚を釣る道具としても素晴らしいものばかりです。
私がオークションで手に入れた(最初は竿作りの変わり塗りの見本として集めた)竿の調子もカワハギ竿として基本的な調子から外れたものはないのが特徴。
つまり昔からカワハギ釣りの達人(良く釣る人)と呼ばれる人はいたわけでその人が細かく指定した調子を具現化していたのが和竿の匠達だったのだろう。私が思うにカワハギ和竿に対しては宙の誘い釣りベースで考えたなら基本設計が古いという事は無いと考えている。恐らく20年ぐらい前にはほぼ調子が完成されていたのではと私は思っている。カワハギ和竿で設計が古いという事は今の最新タックルの穂先より硬めの穂先が付けられている事が多い。私はバス釣りの頃から硬調の穂先が好きなので和竿の伝統の調子が結構好きなのだ。
実際に設計が古いだろうと思われる和竿でも私のように宙の誘い釣りをメインに出来る腕さえあれば乗合船で平均以下になることはほとんどないのである。
ただアナゴの誘導仕掛けのようにPEラインと軟らかな穂先でないと成立しない釣り方もあることは否定しない。別の記事でも書いているが私の考えでは逆にここに頼ってしまうと腕の上達と違う方向へ行ってしまうし難しいからこそという点で面白みが半減するだろう。
つまり私は錘を底に着けたまま聞くことが出来て違和感なく食い込ませるようなアナゴの誘導仕掛けやカワハギだと向こう合わせ的な釣り方や空合わせ的な釣り方は腕の上達には繋がらないのでこの釣り方をすること自体が時間の無駄遣いでしかないと考えている。(せっかく同じ時間を釣りに費やすなら腕を少しでも上達させたいのだ。)
この考え方は私がこのブログを始める以前、まる八という船宿で行われた年に1度の手ばね大会(釣り座以外は竿や仕掛けすべて船宿支給の同条件で行ったリールを使わない手ばね竿での船下のみ本当の腕だけの勝負)で出会った根岸名人の釣りを隣りで見てから釣りは道具や仕掛けではなく大事なのは腕なんだとそう思うようになり、いつか根岸名人のようになりたいと釣りの技術として大切な聞く動作をより重視するようなシンプルな仕掛けを好んで使うようになったのだ。
昔から伝わるアナゴの釣鐘錘のような伝統的な仕掛けは錘を海底から持ち上げて聞く感覚を鍛える効果のある仕掛けが多いのだ。つまり釣鐘錘の仕掛けで釣っているうちに錘を底から上げた状態であたりを聞く竿さばきによる仕掛けの繊細なコントロールが左右両方の腕で身に着くのである。
アナゴ手ばね大会で出会った数年後、根岸名人が入舟に来てカワハギ釣りを隣り同士で一緒にやった時の記事は以下のリンク参照。
この時も釣れない時間を作らない素晴らしい腕前で、もし根岸名人が私と同じ極鋭を使っていたら恐らく最初から負けていたか、私が同じくらい釣って健闘したとしても私の魔の1時間の間に逆転され釣り負けていただろう。
その時のブログ記事はこちら
カワハギ竿の調子に関しては人によってはナイロン手ばね竿と釣鐘錘でカワハギを釣っていた時代もありその頃からしたら調子も変わる(進化している)のではと考える人もいると思う。でも実際は達人が好む合わせが利く調子という点は変わらないのである。
それはどういうことかと言うと、いくらナイロンの道糸が伸びるとは言っても錘を底から浮かして穂先に負荷をかけてしまえばナイロンとはいえある程度伸びきってしまうのだ。すると道糸の伸びによる操作性にさほど差がなくなるからである。この操作性が良く合わせも利きやすい調子(穂先のカーブと穂持ちの硬さ)というのは変わりがなく違うと感じるのはナイロンとPEラインの違いによるアタリの鮮明さ(手感度ともいう)だけなのだ。ただ厳密にいえば同じ宙の誘い釣りが出来る達人が5人いれば細かい穂先の削りの好みの違いは出てくるだろう。ただ穂持ちの理想的なパワーバランスはほぼ同じはず。
何故私がそう言い切れるのかと言えば、自作のナイロン手ばね竿を入舟さんに持ち込んで夜アナゴ釣りで実際に使用しPEラインでの釣りと遜色ない釣果が出るまで使い込んだからに他ならない。
実際に和竿の匠が1本1本精魂込めて作った竿(作品)を使うと大量生産されるカーボンの竿にはない何か(上手く表現できないが)を感じる。そして使い込んでいくうちに愛着がどんどん増してきます。
これはきっと匠が魂を削る想いで竹に火を入れ(火入れとは一瞬の判断ミスが竹を焦がすので物凄い集中力がいる作業である)、込みや穂先を時間をかけて丁寧に削って調節し何度も漆を塗り重ね完成させる過程での気持ちというか何というか(大量生産される単なる工業製品には無い作品に込められた想いのようなもの)がそうさせるのかもしれない。
現在私自身なかなか時間が取れずに実戦投入できたのはこの中の3本のみ。あと5本も使って魚を掛けてやらねば。(笑い)
ただ残念なことはこれらのすばらしい日本の伝統工芸技術は、日本人が一番価値を知らないのではと私は危惧している。
私の知る限り日本の和包丁(海外では日本刀の技術が使われているとして人気)や日本酒(海外ではライスワインと呼ばれる)なども海外では素晴らしいと評価が高くとも肝心の日本人がその本当の使い勝手や美味しさ(本物の価値)を知らない人が多いのだ。
この匠が作ったカワハギ和竿もその典型で最新技術で作った竿と何ら遜色ない釣果を出せるし(正直釣果は腕次第だが・・実は最新の竿を使っても腕が悪ければ釣れないので和竿があまり知られていないのは宣伝と実物が手に取りにくいだけの問題だと私は思う)漆の装飾も芸術性も含め素晴らしいものだが肝心のカワハギ師が和竿の良さを知らない人が多いのでどんどん後継者もなくなり和竿師が廃業しいなくなっているのだ。(匠の作る素材を吟味した本当に良いものは値段が高いのだが実はほとんどの和竿は10から20年くらいは使えるし修理も匠がいる限りずっとやってくれるのである。)大手メーカーは新製品を売りたいのでパーツ供給を法律で決められた7年でしなくなるが竿の場合もっと短い事もある。
和竿の場合極端な話穂先を新しいものに交換してしまえば調子の変更ですら可能なのだ。
また20年以上前のクジラ穂を使ったカワハギ用和竿を複数入手して気が付いた事がある。
それは誘い釣りに向いた極先調子の似たような調子の竿が多いという事である。
これは何を意味しているのかというと、その当時のカワハギ釣りの達人たちは自分たちの求める調子を和竿師に依頼し竿師と釣り師がお互いに情報をフイードバックし最適な調子を追及していたと思われる。
そうした試行錯誤の末生まれたのが極先調子のクジラ穂の和竿だったのだろう。
そうして生まれた竿で達人たちは凄い釣果を出す。すると船で出会った隣の人は当然どこの竿師が作った竿なのか聞くわけで、聞いた釣り人は名人と同じような調子の竿が欲しいと竿師に注文したかもしれない。ただこれらの達人が好む竿は、使い手を選ぶ竿なので万人に使いやすい竿ではなかっただろう。
そうして注文されたり作られた竿が私の手元に中古品として6本くらいあるわけである。
それらの竿の調子が面白いことに古いものではダイワの初代早業硬調(誘い釣りの名手中馬氏が市販品で唯一穂先を詰めずに使用したという名竿)新しいものではガマカツの鬼攻めトーナメントグレードHやダイワ初代極鋭レンジマスターやサクラの金剛激など9:1の極先調子という点で共通している。
これらの事から30年以上昔から魚信に対し合わせの利く調子を達人たちは追及していたのだという事がわかるのである。
これらの事を踏まえて、もしこの記事を読んでクジラ穂和竿をオーダーしたくなった人にこれだけはやってはいけない注意を書いておく。
それは柔らか目の穂先の最新タックルを持ち込んでこんな竿を作ってほしいとオーダーする事である。なぜならクジラ穂を最大限に生かす釣り方は宙の誘い釣りだからである。宙の誘い釣りでも柔らか目の穂先で釣る事も可能だが、もしあなたが硬めの穂先を使いこなせないのならクジラ穂に満足できないだろう(クジラ穂を最大限に生かした竿を使いこなせないという意味)。
最新タックルの柔らか目の穂先が好きな人で和竿を使ってみたいならグラス穂先和竿をオーダーすることをお勧めする。グラス穂なら最新タックルの柔らかい穂先に近い感じで再現してくれると思う。
繰り返すがクジラ穂和竿をオーダーする場合は、釣り人の腕も高いレベルが要求される。ダイワの極鋭ならレンジマスターやがまかつのトーナメントグレードHやさくらの激などが使いこなせるレベルでなければ結局クジラ穂も使いこなせず宝の持ち腐れになってしまうだろう。
この本当はすばらしい和竿の文化も近い将来匠がいなくなり技術が途絶えてしまうのだろうか?
私の所有している和竿の5人の匠のうち少なくとも3人は後継者がなく廃業してしまったようである。
それでは
昔は夏の釣りものでしたが、
今は肝パンのこの時期の楽しみな釣りものになってますね♪
いつ頃釣りに行かれるのでしょうか?
楽しみですね(^○^)
by Rchoose19 (2018-11-30 07:43)
博物館の展示品のようですね。使うのに勇気がいりそう^ ^
by kaneyan (2018-11-30 08:56)
Rchoose19さん
お久しぶりです。そろそろカワハギ釣りしたいところですが今年はイマイチ状況が良くないみたいなので来シーズンからかな。
by matsui (2018-11-30 21:16)
kaneyanさん
カワハギ和竿は芸術品でもありますからそう感じるのもわかります。
和竿の中で現在でも競技に使える数少ない一つかと思っています。
by matsui (2018-11-30 21:24)